知っておきたい農薬の基礎 −RACコードについて−

レター
 

植物医師
竪石 秀明

 

本誌2025年3巻7号の「農薬のラベルから適用病害虫・雑草と使用法を知る」でラベルの見方の基本について紹介した(1)。今回はラベルに記載されているRAC(ラック)コードについて紹介する。農薬に耐性の病害虫や雑草の出現を抑えるため、農薬製品のラベルにはRACコードを表示するよう推奨されている。

RACコードとその表示の目的

RACコードとは簡単に言うと農薬の作用性(なぜ効くのかのメカニズム)を表示したものである(2)。すべての農薬のラベルに記載されているとは限らないが、表示が推奨されている(図1)。
関係企業や専門家で構成する抵抗性対策委員会で農薬の作用性を分類し、表示したものである。これは国際的な取り組みで、数字やアルファベットで表記される。例えば有機リン系殺虫剤は「1B」である(表1)。
つまり同じコードの農薬は作用性が同じで、連用し続けるとそのコードの農薬に耐性の病害虫や雑草が出現する可能性がある。そこで異なるRACコードの農薬をローテーションで使用し、病害虫・雑草の耐性化を防ぎ、農薬の効果を持続させようというものである(2)。

  • 図1. 農薬のラベルとRACコード記載例
  • 表1. RACコードを担当している委員会とその例

RACコードとローテーション散布の例

トマト栽培における殺虫剤のローテーション散布の例を表2に示した(JA山武郡市HPより引用、原体(有効成分)名と作用機構を加筆)(3)。ここでは、RACコードを見て分かるように、合計12種の作用性の異なる殺虫剤がローテーション散布される計画となっている。
RACコードが異なれば薬剤の効き方が異なる。農薬を複数回使用する場合はRACコードが異なっていることを確認する。実用上は作用性の内容までは覚える必要はないが、興味のある方は参考文献により調べることをお勧めする。

  • 表2. トマトにおける殺虫剤ローテーションの例
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ISSN 2758-5212 (online)